本栖湖のヒメマス釣りを後世に

カテゴリー:食・農林水産業・商工業 

main_img 達成

寄付金額 4,240,000

212%

目標金額:2,000,000

達成率
212%
支援人数
91
終了まで
受付終了

山梨県富士河口湖町(やまなしけん ふじかわぐちこまち)

寄付募集期間:2024年12月9日~2025年3月8日(90日間)

山梨県富士河口湖町

プロジェクトオーナー

古代、富士山の噴火により形成された富士五湖の一つ本栖湖は、元来、魚類はおらず、魚類が生息しはじめて1,200年程度で固有種もいない湖でした。
そんななか、ヒメマスは大正6年(1917年)に初めて十和田湖から移植、その後も継続して放流され、現在も本栖湖において重要な遊漁、観光資源となっています。

ところが近年、本栖湖漁業協同組合が以前と同様にヒメマスを放流しているものの釣果が低迷するなか、令和4年11月に山梨県水産技術センターにおいて本栖湖での産業管理外来種レイクトラウトの生息が確認され、その後の調査で膨大な量のヒメマスがレイクトラウトによる食害に遭っていることが確認されました。

富士河口湖町では、レイクトラウトの駆除を進めることで、多くの皆様に本栖湖のヒメマス釣りをもう一度堪能してもらい、また、その美味を味わってもらいたいと考えています。昔から多くの釣り人に親しまれてきた本栖湖のヒメマス釣りを復活させ後世に伝えていくため、皆様からの寄附のご協力をお願いいたします。

現状と課題

「マンパワーでたくさん釣り上げる」駆除が有効

山梨県水産技術センターが行った刺網による捕獲調査では、すでにレイクトラウトは、毎年1万尾以上放流されているニジマスを超え、本栖湖の生態系のトップにいることが確認されました。
捕獲したレイクトラウトの胃の中には、丸呑みされた大きなヒメマスや多くのヒメマスの稚魚が混在するなど、危機的な状況であることが示されています。
本栖湖漁業協同組合では、遊漁者に対し駆除協力金を支給し駆除へのご協力をお願いしていますが、その財源確保が大きな課題となっています。また、相当量のヒメマスが食害を受けている状況を受け、令和6年11月の定期ヒメマス釣り解禁は初めて見送られることとなり、事態はますます深刻化しています。
将来的な大規模駆除を見据え、山梨県水産技術センターでは、レイクトラウトの腹の中に発信機を埋め込み産卵場所の特定等調査を進めていますが、調査は長期間に及ぶため、当面の間の対処方法としては、「釣り上げて駆除する方法」が最も効果的であると考えられています。

本栖湖の魅力

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本栖湖は、富士五湖の中で最も深く、透明度が高い湖です。
湖越しに富士山が望まれ、豊富な自然景観・環境が残るとともに、美しい景観や豊かで静穏な自然環境が保たれていることから、県内外から多くの観光客が訪れ、散策、キャンプ、魚釣り、観光船による遊覧、ボート乗り、ウインドサーフィン、カヌーなどのレジャーに親しんでいます。
また、動力船の乗り入れ規制が行われており、ボート同士のトラブルがない等、手漕ぎボートによるヒメマス釣りが大変盛んな湖です。

ヒメマスとは

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◆ヒメマスは大正6年(1917年)に初めて十和田湖から移植されて以来、継続して放流が行われ、現在も本栖湖において重要な遊漁となっています。春と秋に1カ月ずつ釣りが解禁され、毎年多くの遊漁客がヒメマス釣りを楽しんでいます。

◆臭みがなく美味しさも格別で、過去に特産品開発されるなど、流通量は少ないながら地元料理店などで提供されており、食の魅力の核としても多くの方に親しまれています。

◆近年、本栖湖漁業協同組合が以前と同様にヒメマスを放流しているものの、釣果が大幅に低迷しています。

ヒメマス

レイクトラウトとは

レイクトラウトはイワナ属のサケ科魚

♦ もともとは日本にいなかった外来種
・アラスカの一部を除く北米大陸北部に広く分布するイワナ属魚類

・昭和41年(1966年)国(当時:水産庁淡水区水産研究所、現在: 国立研究開発法人水産総合研究センター水産技術研究所)によってカナダ・オペオンゴ湖から栃木県の中禅寺湖に導入されました。

・その後50年以上、日本において中禅寺湖以外での生息は確認されていませんでした。

生態系へのリスクとなり得るレイクトラウトの特徴

♦ レイクトラウトの特徴
・寿命が非常に長い
 ⇒ 48歳の個体が捕獲された(Hansen et al. 2016)

・大型化する
 ⇒ 全長1mを超える個体が捕獲された(Koel et al. 2020)

・大型化に伴い魚食性が強くなる
 ⇒ 9歳を超える個体は魚が主食(Ruzycki et al. 2003)

・湖だけで生活史が完結する
 ⇒ 繁殖に流入河川を必要としない。湖だけで生活史が完結
   (Martin and Olver 1980)

・冷たい水を好む
 ⇒ 低水温を好み、適水温は4~10℃。高冷地の湖でリスク大
 

山梨県水産技術センターが実施している調査研究

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◆刺網での捕獲調査の結果から、既に本栖湖において自然繁殖により大規模にレイクトラウトが増えている可能性がある
 →捕獲個体数が多い、サイズが広くばらついている

◆魚類を捕食しているレイクトラウトの割合が極めて高かった
 →元々生息している魚類への食害が懸念される
 →放流直後のヒメマスが実際に食べられていることを確認
 →ヒメマスの不漁の要因としてレイクトラウトの食害が強く疑われる

◆山梨県水産技術センターにおいて、レイクトラウトの効率的な駆除方法確立に向けた研究が行われている
 →バイオテレメトリー調査、食性調査、遺伝的特徴の解明など

◆バイオテレメトリー調査とは、捕獲したレイクトラウトの腹腔内に発信器を挿入し、再放流。湖上に広範囲に設置した受信機の受信回数から本種の出現頻度の高いエリア(特に繁殖期)、水深などを調査


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◆食性調査とは、レイクトラウトが主に何を食べているかを解析する、レイクトラウトの腸内容物(糞)に含まれる生物のDNA解析により実施

◆遺伝的特徴の解明とは、本栖湖のレイクトラウトの由来をDNAに基づき推定(中禅寺湖由来か?)DNAの多様性から本栖湖に密放流されたレイクトラウトの集団規模の多少を推測し、放流された集団が少数でも繁殖、増加のリスクがあることを示す(国立研究開発法人水産技術研究所との共同研究)

                     【資料提供:山梨県水産技術センター】

山梨県水産技術センター 岡崎 巧 所長

湖におけるレイクトラウトの危険性

レイクトラウトは魚食性が強く、サケ科魚類の中でも際立って寿命が長く、大型化します。さらに、本栖湖のように流れ込む河川がない湖でも自然繁殖するのが特徴です(同じサケ科魚類であるニジマスやブラウントラウトは、流入河川がなければ自然繁殖しません)。このため、湖沼においては、レイクトラウトは侵入により深刻な影響をもたらす魚と考えられています。このような魚が本栖湖に入ってしまったことは非常に残念です。
現在、水産技術センターでは、本栖湖のヒメマス資源の回復に向け、レイクトラウトの駆除効率化に向けた調査・研究を進めているところです。
また、釣りによる駆除も本種の生息数の抑制に有効であり、このためには一般の遊漁者の協力が不可欠となります。

寄付金の使い方

皆様よりいただいた寄付金は、レイクトラウト駆除に協力いただける遊漁者に対し支給する駆除協力金に使用させていただきます。
具体的な金額は下記のとおりとなります。

・レイクトラウト1尾: 1,000円
 <2025年度 年間駆除目標:1,000尾>

※このプロジェクトは、寄付金額が目標額に達しない場合であっても事業を実施いたします。また、目標額以上のご寄付がいただけた場合についても駆除が可能な限り本事業に充てさせていただきます。なお、2025年度の駆除数(駆除協力金支給額)が少ない場合は、次年度の駆除協力金またはレイクトラウト駆除の推進に資する事業(放流禁止等看板・チラシ作成等)に充てさせていただきます。

寄付者の皆様へ

本栖湖漁業協同組合 伊藤正一 組合長

本栖湖のシンボルであるヒメマスがレイクトラウトに食い荒らされ、初めて釣り解禁の見送りを余儀なくされました。
再びヒメマス釣りファンの皆様に釣りをご堪能いただき、ヒメマスに親しんでいただけるよう、いち早い釣りの解禁を目指しております。
私たち漁業協同組合と行政が連携して対策を進めることに加え、今回ご賛同いただける寄付者の皆様と、釣り客の皆様のお力添えをいただくことで、より一層効果的に駆除を進めることが可能となります。
ヒメマス釣り復活のため、どうか皆様のご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

富士河口湖町長 渡辺 英之

地域資源ヒメマスの復活を

レイクトラウトは在来のヒメマスをはじめ本栖湖の重要な水産資源を食害し、生態系に歪みを生じさせる恐れがあり、自然環境や観光産業への影響が心配されるところです。
遊漁客の皆さまに存分にヒメマス釣りを楽しんでいただける環境に戻るよう、また、地域の食の魅力としてのヒメマスを多くの皆さまにご提供できるよう、関係者が一丸となって対策を講じていきます。
ご賛同いただける皆様からのご支援をお願い申し上げます。

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ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。

控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

このプロジェクトへのご寄付に対する返礼品は以下からお選びください

  • 2025年03月12日 11:23

    【お礼】多くのご支援をいただき誠にありがとうございました。

    プロジェクトの寄付受付が終了となりました。

    皆様のお陰で目標を大きく上回るご支援をいただきました。いただいた寄付金は本栖湖のヒメマス釣りを後世に残せるよう、レイクトラウトを釣った遊漁者に対する協力金を中心にヒメマスの食害解消に資する事業に大切に活用いたします。

    ぜひ引き続き見守っていただけますと幸いです。

    この度は誠にありがとうございました。

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山梨県富士河口湖町

富士河口湖町(ふじかわぐちこまち)は、日本のほぼ真ん中、日本最高峰の富士山の北側に位置しています。
周りは緑豊かな山々に囲まれ、青木ヶ原樹海に代表される森林と原野があります。
しかしなんと言ってもその特色は、富士五湖のうち、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖という全く特徴のことなった湖を地域内にもっていることです。
これらの自然がおりなす独特の風景は日本でも屈指の景勝地として高い評価を得ています。後世に向け「富士山」が世界文化遺産であり続けるよう様々な政策に取り組んでいます。