【絶滅危惧種タガメ】静岡県内最後の生息地と生物多様性を守るために
カテゴリー:自然・環境
寄付金額 575,000円
目標金額:2,255,000円
- 達成率
- 25.4%
- 支援人数
- 42人
- 終了まで
- 受付終了
静岡県浜松市(しずおかけん はままつし)
寄付募集期間:2024年7月22日~2024年10月19日(90日間)
浜松市環境部環境政策課
「静岡県最後の生息地の守り手となろう!タガメの故郷を守るために」
かつて日本各地に普通に生息していたタガメが激減し、絶滅の危機に瀕していますが、浜松市には静岡県最後のタガメ生息地域が現存します。
タガメの命脈を守り未来に引き継ぐために保全活動を行っている方々によって地道な努力がされていますが、タガメの生息範囲や密度は減少傾向にあります。タガメを存続させることは生物多様性の保全に貢献するだけでなく、浜松市の宝である自然環境を守ることでもあります。ご協力をお願いします。
静岡県最後のタガメの生息地を守りたい
浜松市は海川山湖に囲まれ、様々な形態の自然環境が広がっています。広い市域には、美しい山々と山間に開いた棚田などの農地や集落が融合し、独自の里山が形成されています。そんな中に静岡県最後のタガメ生息地域があります。しかし、現在では過疎化が進み放棄水田が増え、ため池が管理されなくなったことから、タガメが生息できる(個体群を維持できる)環境が急速に失われつつあります。タガメは重要な希少生物であるだけでなく、豊かな里山の生態系を象徴する指標でもあります。タガメを保全することは、ゲンゴロウ類やトンボ類などの多くの生き物を保全することにも繋がります。
静岡県最後の生息地の現状と保全に必要なこと
タガメは主に水田やため池に生息し、適度に水草(特に抽水植物)が生え、解放された水面であることが生息や繁殖の条件となります。植物が繁茂して水面を埋め尽くされてしまう状況では生息できず、多くの場合は人の手で刈り取られることで、タガメが生息できるようになります。
静岡県内最後のタガメ生息地の中心となっているため池では、幸いなことにタガメの生息や繁殖を支える良好な状態がほとんど自然に維持されています。池には魚類やカエル類も生息し、池の周囲に落葉樹林が発達して水際を覆い、モリアオガエルの大きな産卵場となっているなど、エサも豊富です。しかし、古くに造られたため池であるために、ため池の構造を支える堤体が長年の風化によって劣化・侵食を受け、厚さ50㎝程度まで薄くなり、近年は漏水が見られるようになっています。このままでは、水位が上昇する豪雨や地震などの負荷によって堤体が決壊してしまう恐れがあります。堤体の崩壊によって、ため池の水位が一気に下がることが予測され、その結果、最後のタガメ生息地が失われる重大な危機に瀕しています。ため池のすぐ下流にも小湿地が広がり貴重なハビタット(生息環境)が形成されていますが、堤体の崩壊によってこれらの環境が一気に失われることになります。
保全活動を行っている方々によって、堤体に水はけを改善する排水口を設け、土嚢を積んで補強するなどの維持管理作業が継続されていますが、現状の脆弱な堤体では頻発する自然災害に耐えられない可能性があります。
*ハビタット:生息地、生活環境を指す言葉。特に、生物が生存するために必要な様々な環境条件が整っている状態の場所。
守られる生態系と多様性への思い
生息地の保全活動を行うNPO法人ふじ環境研究所山田辰美理事長のコメント
タガメは昆虫ですが、里山の食物連鎖の頂点に立つと言われる生き物です。タガメの生息や繁殖を支えるために、エサとなる生き物が必要です。例えばモリアオガエル、ツチガエル、トノサマガエルなどのカエル類やメダカ、ギンブナ、ドジョウなどの魚が良く食べられています。大きなアズマヒキガエルやヒバカリというヘビが食べられる様子を観察したこともあり、大食漢ぶりに驚かされます。しかし、現状でも食物となる生き物が十分でないと考えられます。小さなタガメや秋になっても幼生のままの個体を見ることがあり、さらに卵塊の卵の数も全国的な平均より減少しているようです。タガメを守るためには、エサとなる生物を含む里山の生態系全体を保全することが重要となります。そのためにも、安定した環境の確保が求められます。
タガメにはオスが子育てをするというユニークで珍しい習性があります。産卵は初夏に行われ、メスがフトイなどの水面から出た茎に80個程度の卵をまとめて産み付けますが、その後は発生中の卵をオスが保育します。オスは上から卵塊を抱きかかえるようにして、夏の日差しや乾燥、外敵から子を守ります。保育中のオスは食物を取らず、卵に水をかけながら子の成長を見守るのです。外敵に驚いて水に隠れたり、メスの誘いを命がけで避けたり、懸命な子育ての様子は涙ぐましいものがあります。こんな不思議な生き物や豊かな大自然の営みに触れ合える機会を未来の子どもに引き継ぎたいと願っています。
保全活動と現地調査
・保全活動と現地調査
常葉大学名誉教授で、NPO法人ふじ環境研究所理事長の山田先生の指導のもと、常葉大学の学生によってため池の保全活動とため池周辺へ個体群を広げるための環境整備が行われています。また、タガメが生息するため池では産卵数調査とマーキング再捕獲法による個体数調査も行われています。
寄附金の使い道
いただいた寄附金は、生息地のため池の堤体補強工事に活用させていただきます。
目標金額に到達しなかったり、目標金額を上回ったりした場合でも、生息地の「ため池」の保全活動に使わせていただきます。
返礼品について
本プロジェクトへのご寄附には、返礼品はございません。寄附金は上記の事業に充てることをもって、寄附いただいたみなさまへのお気持ちに応えることとしてお礼に代えさせていただきます。
ふるさと納税で
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ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。
控除上限額かんたんシミュレーション
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2024年10月22日 07:45
【寄附受付期間終了】ご支援いただき、ありがとうございました。
令和6年10月19日を以って「【絶滅危惧種タガメ】静岡県最後の生息地と生物多様性を守るために」の寄附受付を終了しました。目標額には届かなかったものの、42名の方から御支援いただけましたことを大変うれしく思っております。応援いただき、ありがとうございました。
寄附金は、タガメの生息地のため池の堤体補強に活用させていただきます。
事業が完了しましたら、改めてこちらでご報告させていただきます。
引き続き見守っていただけますと幸いです。
この度は、誠にありがとうございました。もっと見るまだコメントはありません
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静岡県浜松市
浜松市は、海、川、湖、山などの豊かな自然環境に囲まれ、沿岸部、都市部、中山間地が形成される多様性に富んだ街であることから、国土縮図型都市と呼ばれています。浜松市では、人と自然の関わりが重要な役割を果たしてきました。人々の手が自然に入ることで、生態系が保全され、豊かな生物多様性が維持されてきました。しかし、最近の人口減少により、里山が維持されなくなり、生態系のバランスが崩れています。生物多様性の減少を食い止めるために行動を起こす必要があります。
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