野菜ソムリエプロの緒方湊さん、長岡のブランド野菜「大口れんこん」の生産地へ

長岡市の北部に位置する中之島・大口(おおくち)地区。ここで栽培されている大口れんこんは、地域特有の農産品ブランドに国がお墨付きを与える「地理的表示(GI)保護制度」にも登録されている伝統野菜です。そんな大口れんこんが大好きという、野菜ソムリエプロの緒方湊さんが初めて生産地を訪ねました。

図鑑で見て、テレビで知った「大口れんこん」 食べてみたい!と取り寄せてリピーターに

米どころ新潟の中心部ながら、天然ガスや温泉が噴出し、栄養豊富な粘土質の土壌が稲よりれんこんに最適ということで、1923年(大正12年)にれんこん栽培がスタート。その歴史は100年を超えました。“見通しのいい”縁起物として年末だけ売れる正月用の食材でしたが、大口れんこん生産組合の組合長、髙橋秀信さんによると「早生品種の『エノモト』と晩生品種の『ダルマ』、この2種を組み合わせる栽培法を組合が確立して、現在は8月から3月まで収穫・出荷しています」とのこと。

大口れんこんがお気に入りという緒方湊さんは、8歳で野菜ソムリエ、10歳で野菜ソムリエプロに合格し、最年少記録を保持する野菜のスペシャリスト。大人顔負けの豊かな知識と鮮やかな表現力で知られる“野菜博士ちゃん”も高校生になりました。初めて大口れんこんを知ったのは、小学生のときに見た野菜図鑑だったそうです。

「小さいころから食いしん坊で、食材に関心があり、野菜図鑑を買ってもらったんです。伝統野菜のページに大口れんこんがあったので、存在だけは前から知っていました。テレビの料理番組やグルメ番組もよくチェックしていて、小学校4年生くらいだったと思いますが、ある番組で大口れんこんを紹介していたんです。この場所でれんこんを掘ったり、調理したり。それを見て僕も食べてみたいと思って取り寄せたら、とってもおいしかった!それからずっと取り寄せています」(湊さん)

湊さんのウェブサイト『みなとの野菜大辞典』でも、晩生品種「ダルマ」について「毎年注文している大好きなれんこんです。煮ても黒くならないので煮物にも合いますが、揚げても、焼いても、すりおろしても、何にしても合うれんこんです」と写真とともに紹介しています。

湊さんと髙橋さんおすすめの食べ方は?

髙橋さんは大口で最初にれんこんの専業農家になった人。れんこんを知り尽くした生産者の日常的な食べ方はこちら。
「節を切り、皮を剥いて丸ごと鍋に入れ、大きいときは半分に切って、鍋の中で転がしながら4〜5分ゆでます。れんこんは食感が大事なので、ゆで過ぎないように気をつけて。それを冷蔵庫に入れておき、食べるときに薄くスライスして、醤油と七味、ドレッシング、キムチの素など、好きなものをかければ、簡単におかずや酒の肴が作れますよ。うちでは漬物もよく作ります。醤油・酒・みりん・水を同じ分量で混ぜて一度沸騰させ、すりおろした生姜を少々。その中にスライスしたれんこんを漬けて一晩置くと、おいしい漬物になります」(髙橋さん)

少し早めに収穫した早生品種「エノモト」を使い、たくさんの調理法で手作りしたれんこん料理を髙橋さんが振る舞ってくれました。色白のルックスも美しく、食欲をそそります。さっそく試食タイム。湊さんは「おいしい〜。これは芽のほうかな。シャキシャキして甘みがあって、しかも、やわらかいです」とにっこり。鮮度のいい採れたてが味わえるのは産地ならではのお楽しみです。

あらゆる野菜の、たくさんの品種を味わい、記録し、研究している湊さんに大口れんこんの魅力について訊きました。

「れんこんの産地は茨城、徳島、佐賀、石川などがありますが、今回はぜひ生で食べてみたいと思って長岡にやってきました。食感がすごくシャキッとしていて甘さもあって、両方あるのが特徴かなと思います。冬に収穫する『ダルマ』はモッチモチの食感で、2種類の違う味わいが楽しめるのが大口れんこんの魅力ですね。僕の家では、すりおろしてお味噌汁や鍋に入れたり、おだんごにしたり。『タルタルサラダ』もよく食べます。取り寄せてたくさん届いたときはいろいろ工夫して新鮮なうちに食べ切りますが、どんな野菜も、まずはシンプルに素材の味を楽しみます」(湊さん)

湊さんも髙橋さんも推す「タルタルサラダ」のレシピはこちらに載っています。

在来種の「ダルマ」は日本でここだけ 伝統を守り抜く生産者のプライド

現在、大口のれんこん農家は約60軒。「ダルマ」はいまでは大口でしか生産されていません。髙橋さんは「昔はどこでも作っていたけど、れんこんがいちばん弱いのは台風で、生育途中で葉が折れてしまうと大変なんです。それで、全国的に早く生育する早生系のれんこんになりました。ここ大口では、やっぱり昔から作っているおいしい在来種ということで、あえて『ダルマ』を作っています」と胸を張ります。

湊さんは言います。「ここに来る途中もサービスエリアや道の駅に寄って、そこにしかない野菜や品種を探しています。地元ではみんな知っているのに、名前が付いていない珍しいものや本などにも載っていない掘り出し物に出会うこともあり、『わー、これ!』と喜んで手に取ったら、地元の人たちに見られました(笑)。やはり大口れんこんのように、そこにしかないものは貴重です。東京のアンテナショップに行くこともあるし、可能なら生産地まで買いに行きたいですね。鮮度が大事ですから。スーパーの野菜売り場では『れんこん』『にんじん』『ナス』などと売られている野菜に品種がたくさんあることを図鑑で知って、できればその品種をぜんぶ食べ尽くしたい。そういう気持ちが僕の中にずっとあるんです」

どこにでもあるれんこん。でも、大口れんこんはここにしかないオリジナルです。湊さんに発見され、気に入ってもらって、髙橋さんは生産者冥利に尽きたのか「うれしいなぁ。本当にありがたいよね」と満面の笑顔になりました。

ブランド野菜としてぐんぐん成長中 「大口れんこん」をぜひご自宅で

これから10月までは「エノモト」の収穫期。生産者のみなさんは早朝から仕事に取り掛かります。「朝8時にはもう暑いので、3時ごろ行って収穫してぜんぶ箱詰めして、お昼までに出荷します。そうすると今日掘ったものが明日スーパーに並びます。できるだけ新鮮なものをお届けしたいですから」と髙橋さん。

髙橋さんたちが手塩にかけて育てた鮮度抜群の大口れんこんをご自宅で味わってみませんか? 思う存分味わえる4キロ箱、使い切りやすい2キロ箱、そして希少部位『芽れんこん』を詰め合わせたセットをご用意しました。8月から3月まで半年以上収穫しているので、長く楽しめるのも嬉しいポイント。早生「エノモト」と晩生「ダルマ」、どちらもご賞味いただきたい自慢のれんこんです。下記のページにて受付中です。 ぜひチェックしてみてください。

75T-02【大口れんこん】新潟県長岡産レンコン4kg

15,000円以上の寄付でもらえる

詳細

新潟県の中央部、長岡市中之島にある大口(おおくち)地区で、約100年前から栽培される大口れんこんは、長岡野菜の一角を飾る秋冬の代表格。
シャキシャキの食感をお試しください。

75T-03【大口れんこん】新潟県長岡産レンコン2kg

10,000円以上の寄付でもらえる

詳細

新潟県の中央部、長岡市中之島にある大口(おおくち)地区で、約100年前から栽培される大口れんこんは、長岡野菜の一角を飾る秋冬の代表格。
シャキシャキの食感をお試しください。

75T-04【大口れんこん】新潟県長岡産レンコン4kg(3.6kg+芽れんこん0.4kg)

15,000円以上の寄付でもらえる

詳細

希少部位の『芽れんこん』を1袋(0.4kg)詰め合わせています。れんこんは節と節の間から新しい芽を出し、新しい節を形成しようとし、この最も先端の部位を『芽れんこん』と呼んでいます。

75T-05【大口れんこん】新潟県長岡産レンコン2kg(1.6kg+芽れんこん0.4kg)

10,000円以上の寄付でもらえる

詳細

希少部位の『芽れんこん』を1袋(0.4kg)詰め合わせています。れんこんは節と節の間から新しい芽を出し、新しい節を形成しようとし、この最も先端の部位を『芽れんこん』と呼んでいます。

れんこん掘りの作業着“胴付(どうつき)長靴”に着替えて田んぼを案内してもらった湊さん。「収穫のころにまたおいで」と髙橋さんもにっこり。

●インフォメーション
大口れんこん生産組合
【住所】新潟県長岡市中之島773番地 えちご中越農業協同組合 なんかん南営農センター
【TEL】0258-61-2904