最上級の食材に美人の湯。旅が楽しくなる要素がすべて揃った「島根県奥出雲町」を訪れました
奥出雲町ってどんなところ?
おでかけ体験型メディア「SPOT」の人気ライターが取材。他の観光メディアでは紹介しきれない、地域の魅力を深掘して紹介します。
こんにちは、傘もささずに雨に打たれている佐々木かえでです。新緑と吊り橋が印象的なこの場所がある町、どこだか分かりますか?
正解は「奥出雲町」です。中国地方、島根県仁多郡奥出雲町。地図だとこちら。
「出雲大社」はよく聞くから出雲なら知ってるけど、奥出雲ってどこ…? とお思いの方もいらっしゃることでしょう。正直なところ、私がそうでした。
ということで、奥出雲町役場に行ってきました。奥出雲町のこと、教えてほしい。
【目次】
役場の方に「奥出雲町」のことを聞きました
蔵の素材にまでこだわり、究極を追い求める「井上醤油店」
自分の子どもに食べさせたい商品づくりをする森田醤油店
奥出雲町の伝統的な棚田で作るブランド米「出雲國仁多米」
さまざまな認証を取得して安心と安全を追求する奥出雲農園
生まれも育ちも奥出雲な「奥出雲和牛」を生産する和泉牧場
「泡無酵母」を最初に発見した、現代の名工を擁する簸上清酒
雄大な景色を望みながらゆったり浸かる亀嵩温泉玉峰山荘
バラエティ豊かな奥出雲町のお礼の品
ふるさと納税寄付金の使い道は寄付者が選べて安心
役場の方に「奥出雲町」のことを聞きました
出迎えてくださったのは、奥出雲町役場企画員の渡部さん(わたなべさん、写真左)と、奥出雲町地域おこし協力隊の土江さん(つちえさん、写真右)。緑の景色が美しい奥出雲町なので、ベランダに出て撮影させていただきました。
土江さん:
奥出雲は中国山脈の途中にあるような町なので、かなり起伏が激しいんですが、昔はその起伏を利用して製鉄業をやっていました。「たたら製鉄」ってご存知ですか?
かえで:
聞いたことがあります。たしか、小学校の社会科で「たたら製鉄所」を習った記憶がありますね。
土江さん:
そうそう。奥出雲は、1300年前からたたら製鉄の一大産地だったんですよ。大和朝廷時代からずっと製鉄を営んでいます。現在は「日刀保たたら」にて「玉鋼(たまはがね)」という良質な鉄が作られていて、非常にツヤがあって加工もしやすいということで日本刀の原料になっていますね。日本刀の製造には欠かせないと言ってもいいでしょう。
渡部さん:
玉鋼がもっとも産出されていたのは江戸時代でした。今では生産量こそ少なくなったけれど、玉鋼を産み出しているのは世界でもこの町だけです。伝統的な製鉄法を後世に残していこうということで事業に取り組んでいます。
渡部さん:
奥出雲町は景色が良いと言われますが、これもたたら製鉄で山を切り崩した跡を田んぼや農地に変えていってるから。採掘し尽くして荒廃してはい終わり、ではないんです。伐採だけでなく、計画的に植林もして里山と共に生きています。
土江さん:
町の歴史が深く長いので、神話も数多く残っています。岩と緑と清流が楽しめる国の名勝・天然記念物「鬼の舌震(おにのしたぶるい)」にはワニ(サメ)の一途すぎる恋の伝説、あと有名なものではヤマタノオロチ伝説なんかもありますね。
かえで:
ヤマタノオロチは聞いたことがあります。須戔鳴尊(すさのおのみこと)が退治して天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を手に入れたという伝説は有名ですよね。
土江さん:
他にはトロッコ列車もありまして。急勾配の山道を上るために「スイッチバック」という走行法を採用しています。線路がジグザグに敷いてあり、列車の進行方向が前へ後ろへと変わりながら生活区域のすぐ近くをゆっくりと走行する特殊な運行形式になっています。乗るもよし、見るもよし、撮るもよしで、鉄道ファンのみならず老若男女に人気となっています。
かえで:
楽しそうですね、奥出雲おろち号。子どもが喜びそうです。奥出雲町、観光に事欠かない町なんですね。
渡部さん:
春は桜も見られますし、秋は紅葉がとても綺麗です。ライダーの方々もよくお越しになりますよ。
土江さん:
醤油店や酒造もありますし、日本三大美肌の湯もあります。
たたらと里山の恵みを全身で体感できる町、それが奥出雲町です。
かえで:
美肌の湯、ですか。わたくし、これから始まる取材が楽しみでしかたありません。
渡部さん:
ぜひ入浴していってくださいね。
かえで:
ええ、ぜひ。おふたりとも、お話を聞かせてくださりありがとうございました。これから取材の同行もよろしくお願いします。
ということで、奥出雲町の魅力を深堀して皆さんにお伝えするべく、「神話とロマンの里」奥出雲町で、各特産品の生産者さんの取材、いってきます。
蔵の素材にまでこだわり、究極を追い求める「井上醤油店」
ふるさと納税のお礼の品を生産されている方々の元へ伺いました。
最初にご紹介するのは、伝統の味を守り醤油の「個性」を追求されている、創業から150年にもなるという井上醤油店です。
お話を聞かせてくださったのは、代表取締役社長の井上裕義さん。
井上さん:
うちの醤油は、わざわざ麹菌を入れずに空気に任せています。大量生産だとすぐに製造できるのですが、うちは醤油の個性が死んでしまわないよう、昔からの製法を守っています。
かえで:
麹菌は入れないんですね。それでも発酵させられるんでしょうか?
井上さん:
麹菌は空気中にいっぱい漂っているので、そもそも入れる必要がないんです。醤油の大量生産というのは、麹菌を人工的に抽出して投入することにより可能になるのですが、そうするとせっかくの土地や蔵の個性が無くなってしまいます。うちでは時間をかけてゆっくり醤油を造るようにしています。
醤油を造る現場を見せていただきました。
かえで:
ここで井上醤油店の醤油が造られているんですね。めちゃめちゃいい香りがします。
井上さん:
そうでしょう。あ、これを被ってください。
髪の毛が出ないようにネットを装着。
写真は、蔵で寝かせに寝かせた諸味(もろみ)を圧搾しているところです。いい醤油はこうやって造っているんだと感動しました。
井上さん:
食べてみますか?
かえで:
いただきます!
赤い。透き通った赤い醤油です。鮮度パックもびっくりの、できたての赤です。
井上さん:
どう?
かえで:
そのまま飲めますね。塩分やしょっぱさよりも、旨みの方が断然強く口の中に残ります。
井上さん:
そうでしょう。大量生産されたものを批判するわけではないけど、おいしい醤油を造るのに経済合理性の追求は必要ないんです。
残念ながら蔵の中は撮影NGでしたが、中に入ると神秘的な空気が満ちており、心が整う感じがしました。蔵や醤油を醸造するときの器の素材にも非常にこだわっているそうです。
取材の中で「個性」という言葉を繰り返し使っていた井上さん。土地によって味が変わってくるワインのように、本来は醤油にも蔵による個性があるんだと教えてくださいました。
また、井上醤油店は味噌も作っていて、醤油と同じく人気だそう。どちらも奥出雲という土地を感じさせる個性ある味なので、ぜひふるさと納税に寄付して実際に味わってみてくださいね。
島根県奥出雲町
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天然醸造国産丸大豆しょうゆの「井上古式じょうゆ」は高い香り・深い味わい・やわらかな塩あたりが特徴です。
「井上こはく」は彩りよい淡口醤油で、御煮〆など煮物はもちろん、肉料理にも相性抜群。
「奥出雲味噌」は2年以上熟成させた赤味噌とフレッシュな一年味噌の特別ブレンド。コクと香りのバランスが絶妙です。
感想(34)
自分の子どもに食べさせたい商品づくりをする森田醤油店
次に、奥出雲町でこれまた代々秘伝の醤油づくりをしている森田醤油店を紹介します。森田醤油店は有機JAS認定を取得し、買う人が安心できる商品づくりをしているそう。
代表取締役の森田郁史さん。めちゃめちゃ優しくて、それでいて笑顔がどこか無邪気で素敵な方でした。
森田さん:
一般的に、醤油づくりには脱脂加工大豆というものを使用することが多いのですが、うちでは丸大豆のみ。国産丸大豆・国産小麦だけで麹造りを行っています。使用する材料はすべて国産で、その中でもできる限り島根県産のものを使用しています。
かえで:
私は丸大豆醤油が好きです。醤油を買う時は表示を見て、できるだけ丸大豆かつ添加物の少ないものを買うようにしています。
森田さん:
それは素晴らしいことですね。丸大豆には20%程度油が含まれているのですが、それを取り除いたのが脱脂加工大豆です。醤油の旨み成分はタンパク質が酵素で分解されて作られるアミノ酸で、その数値(窒素量)が高いほど品質がいいということになっています。
写真は森田醤油店でボトル1本作るのに必要な材料の実際の分量比です。分かりやすい!
森田さん:
窒素量が多ければそれがおいしいのかというと、それだけではなくて。通常不要となる大豆の油部分にも当然深い旨みがありますし、それから小麦のデンプン質によって造られる糖でも香りが良くなったり甘味が出たりします。全体のバランスでおいしさを考えているんです。それで丸大豆を使っているんですね。「窒素だけが旨みじゃない」というのが持論です。
かえで:
こんなにこだわっていて、おいしくないわけがないですね。ますます丸大豆推しになりましたし、早く森田醤油店さんの醤油を味わってみたいです。
製造現場にやってきました。これは煎った小麦を砕いたもの。一粒食べさせてもらったのですが、とても香ばしくて、お菓子としても食べられそうなくらいおいしかったです。
こちらは醤油の諸味(もろみ)を攪拌している様子です。
森田さん:
去年までは麹室(こうじむろ)が一箇所しかなくて、中日を設けながらひたすら醸造していたんですが、今年の1月から麹室を2個に増やしました。「もっと効率的に製造しようよ」と言って増築した結果、最近は休む暇がなくなってしまいました(笑)。カレンダーを見てみますか?
かえで:
どれどれ。わ、本当に休みがない!しかも朝が早いですね。
森田さん:
正月とゴールデンウィーク以外はずっと操業しているので、「これからずっと4時間睡眠が続くのか。失敗したなあ」なんて思っています(笑)。
かえで:
お疲れ様です。森田さんに、安心して寝坊ができるような安らかな一日をプレゼントしてあげたい…。
それにしても、醤油を熟成させている様子って何度見ても心が落ち着きますね。わたしは実際に醤油を醸造したことがないけど、もしかしたら日本人の根源的な記憶に刻み込まれているのかもしれないなと思いました。
これが時間をかけて良い頃合いになったら、
専用の布に流し込んで、四角くくるんだものを重ねて、
搾り出します。
森田さん:
この搾り具合も、「これ以上やったら油が出てしまうな」と考えながら、絶妙な塩梅でやっています。
かえで:
すごいですね。ちなみにこの作り方はどうやって知ったんですか?
森田さん:
父からですね。父も祖父から教わりましたし。代々受け継がれています。
ところで、醤油諸味を搾ったもの、どうぞ味見してみてください。
かえで:
いいんですか。いただきます!
森田さん:
どうですか?
かえで:
旨みが口いっぱいに広がりますね!市販されているものと違って、味のグラデーションが素晴らしいですね。なんというか、製造された直後の醤油はおかしな表現かもしれませんが「生きている」ように感じます。
森田さん(右)と息子である森田浩平さん(左)。長い時間取材させてくださり本当にありがとうございました。わたくし、取材でありながら純粋に楽しんでしまいました。森田醤油店の醤油は東京の高級ステーキ店でも使われているそうなので、お金持ちになったら行ってみたいと思います。
奥出雲町の伝統的な棚田で作るブランド米「出雲國仁多米」
奥出雲のブランド米、出雲國仁多米を生産する農家さんにお話を聞かせてもらいに来ました。たたら製鉄の鉄穴流し(かんなながし)の跡を利用した伝統的な棚田で生産する出雲國仁多米には、どんな特徴があるのでしょうか。
お話を聞かせてくださったのは、生産者の野原さん。
かえで:
早速ですが、出雲國仁多米は何か賞を取られているとか?
野原さん:
はい。2017(平成29)年の「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」で「出雲國仁多米」が7度目の金賞を受賞しています。また、2010年から2014年の5年連続で金賞を受賞し、ゴールドプレミアムライスAAAの認定も受けています。
かえで:
5年連続はすごいですね。出雲國仁多米の特徴はどのようなものですか?
野原さん:
粒が小さめで、味の詰まりがいいです。もちもちした食感になります。奥出雲は中国山地に囲まれた山間地で、昼夜の寒暖の差が大きいので、おいしいお米を作るのにとても適しているんですよね。日中の気温と夜の気温の開きが大きいほど、デンプンがたくさん作られてギュッと詰まっていくのがおいしさの秘密です。奥出雲は水もいいですしね。
出雲國仁多米の品種はコシヒカリ。昼夜の温度差があり、山から栄養豊富な水のある奥出雲はコシヒカリの栽培に適した地域とも言えます。
また、田んぼづくりにも工夫があるとのこと。
野原さん:
鉄穴(かんな)流しにより開かれた田んぼは、真砂土(まさど)で地力のない土壌でしたが、役牛であった仁多牛の堆肥を入れることにより、土壌改良を古来より続けてきました。今も、堆肥により田んぼに窒素(植物が元気に育つのに必要です)を供給する仕組みを作り、化学肥料の量は極力少なくしています。昔からこのやり方ですね。
かえで:
化学肥料が少ないのは嬉しいです。これだけの工夫や努力をずっと続けているからこその5年連続金賞なんですね。別格の信頼感があります。
ふるさと納税のお礼の品にもなっている出雲國仁多米。わたしも寄付をして、いつもより数段ぜいたくになった食卓を囲んでみたいです。
品切れ中
島根県奥出雲町
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平成29年米・食味分析鑑定コンクール国際大会において金賞受賞した「出雲國 仁多米」
ご飯が食卓のメインになる美味しさです。
感想(38)
さまざまな認証を取得して安心と安全を追求する奥出雲農園
奥出雲農園にやってきました。こちらでは、大玉トマトとミディトマト(中玉トマト)を生産しています。想像以上に衛生的な空間だったので大変驚きました。ハウスの中とはいえ、普通は床に土が落ちているはずなのに。
大学では情報システムを専攻していたという奥出雲農園の永田稔幸さんに話を聞きました。
永田さん:
奥出雲農園では農産物の国際基準である「グローバルGAP」を取得しています。品質が良く安全な農産物を生産する農場だけが認証されるので、安心して食べていただけます。
かえで:
世界基準の品質と安全が保障されているトマト! すごい安心感です。そう簡単に取れる認証じゃないんですよね?
永田さん:
そうですね。更新もありますし、抜き打ち検査もあるので、徹底した管理を続けないと認証の維持もできません。だから、グローバルGAPの作物は安心して召し上がっていただくことができるのです。
1度目の収穫を終えたばかりのときにお邪魔したので、赤いトマトは少なめ。でも、とことん衛生的なのはご覧いただければお分かりいただけるはず。
年に1度、連作障害対策(病気予防)のために全ての土を徹底的に洗浄しているほか、数年ごとに土の全入れ替えをすることにより、衛生的な状態を維持しているそうです。
永田さん:
グローバルGAPのほかにASIAGAPの認証を取得しています。あとは、島根県認証も取得してます。
かえで:
もはや認証マスター。基準の違う複数の認証を取得できているということは、どの角度から見ても安心ということですね。
永田さん:
ミディトマトは大玉トマトにしては小さめですが、ミニトマトよりは少し大きめで、甘味と酸味のバランスが良くて美味しいですよ。カットしてサラダに使っていただいても良いですし、一口でそのまま召し上がっていただくこともできます。
かえで:
ふるさと納税のお礼の品にもなっているんでしたね。ほかにお礼の品はありますか?
永田さん:
無塩・無添加のトマトジュース「奥出雲美人」があります。濃縮還元でなくストレートタイプなので、トマトそのものの味を楽しんでいただけます。
後日、奥出雲美人を飲ませていただいたのですが、「トマトジュースの味」ではなく「トマト」そのものの味がしました。甘味だけでなく、トマトを感じさせる風味がしっかりとあります。トマトジュースが好きな方は、ぜひこれを1度飲んでいただきたいと思います。その美味しさに衝撃を受けるはずです。
奥出雲農園の永田さん、ありがとうございました。皆さんもぜひ奥出雲町にふるさと納税をして、グローバルGAPのトマトと「奥出雲美人」を召し上がってくださいね。
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ミニトマトよりちょっと大きめで、大玉トマトよりも甘くてジューシーなトマトです。
旨みと甘みがぎゅっと凝縮されたミディトマトです。
そのまま食べても、パスタソースや、トマトとモッツァレラのカプレーゼなどにしてもトマトの旨味がしっかりと感じられる逸品です。
感想(15)
「奥出雲和牛」を生産する和泉英富さん
生まれも育ちも奥出雲町。そんな「奥出雲和牛」を生産している和泉さん宅の牧場です。
温かい木目と左右対称の牛舎は徹底的に清潔が保たれています。牛舎特有の強い匂いなどは一切ありません。
こちらは和泉英富さん。ご自宅の牧場で奥出雲和牛を生産している方です。
かえで:
奥出雲和牛、写真を拝見したのですが、サシが入っていてとてもおいしそうです。
かえで:
飼育する上でのこだわりはありますか?
和泉さん:
そうですね。水は、山から流れる水を飲ませて、普段食べさせるワラは、基本、仁多米のワラです。
かえで:
なんと、生まれや育ちだけではなく、口にするものまで奥出雲産であることが徹底されているんですね。
黒毛でふさふさの毛をした奥出雲和牛。奥出雲の美しく尊い自然をその身体全体で表しています。
かえで:
およそ何カ月で出荷になるんですか?
和泉さん:
だいたい28カ月くらいで出荷になりますね。
かえで:
およそ2年と4カ月ですか。長い期間ここで育てるんですね。
かえで:
子牛、かわいいですね。とても小さいですが、この子は何歳なんですか?
和泉さん:
この子はまだ生まれてから1カ月経ってないですね。
初めはミルクだけで育てますが、できるだけ早い段階からコーンなどの飼料も食べさせることで胃を丈夫にし、より大きく育つように飼育しています。
かえで:
小さいころからしっかりしたものを食べさせることで、奥出雲和牛の品質は高められているのですね。
奥出雲和牛の成長の過程を順々に見ることができました。
身体が丈夫でおいしい牛を育てるために、365日休みなく働く和泉さん。出荷前には牛の全身をブラッシングして綺麗にしているそうです。奥出雲和牛の美味しさはたゆまぬ努力によって実現されているのですね。
気になった方は、ぜひ奥出雲町のふるさと納税のお礼の品で選んでみてくださいね。
「泡無酵母」を日本で最初に発見した、現代の名工を擁する簸上清酒
奥出雲ではその名を知らぬ者はいない、簸上清酒合名会社をご紹介します。
なんとこの簸上清酒合名会社、日本酒の製法をくつがえすことになった「泡無酵母(あわなしこうぼ)」を最初に発見した酒蔵なんです。
案内してくださったのは、常務社員の田村公子さん。気さくでお優しい方でした。
製造現場を見せていただきながらお話を伺いました。
製造現場内は完璧に清潔が保たれていました。醸造に用いられるものとは異なる菌が持ち込まれることは、日本酒をつくる麹菌の働きを弱める原因になります。ですので蔵人の方々は、仕込みの間は納豆を口にしないそうです。
このタンクの中で、まだ濁っている「もろみ」を澱と日本酒にゆっくりと分離させます。その後、澱を取り除き、1度タンクから日本酒を出します。それだとまだ日本酒は生のままで劣化しやすい状態ですので、再びタンク内にお酒を入れて、熱を加えたものを製品化しています。
泡無酵母が発見されて手法が確立されるまでは、発酵で泡だらけになるので樽いっぱいに作ることはできなかったんですが、泡が出ない泡無酵母のおかげで効率よく日本酒を製造できるようになりました。今では全国の多くの酒蔵が泡無酵母を使っています。
かえで:
ものすごく偉大な発見をされたんですね。ところで、泡無酵母はどうやって見つけたんですか?
田村さん:
1962(昭和37)年にうちの先代である田村浩三と当時の杜氏の立石さんが発見したんです。普通なら酒樽いっぱいに真っ白な高泡(たかあわ)があるはずなんですけど、時々それが出来ない樽があることに気づいたんですね。それを国税庁の醸造試験技師だった秋山裕一さんが研究と改良を施したことで生まれました。
かえで:
偶然の産物だったんですね。とはいえ、普通は泡の出ない樽を見かけても「不思議だなあ」と思って終わりのはず。「必要は発明の母」とはよく言ったものですね。
ふわふわと漂うお米の甘い香りに、気持ちが良くなってきたところで製造現場をあとにしました。
ところ変わって、ご覧ください、このトロフィーの数々。簸上清酒の日本酒は、あらゆるコンテストでグランプリを獲得しています。隣の壁にかけられている賞状の中にはイギリスの有名なコンテスト、「インターナショナルワインチャレンジ」のSAKE部門のものも。
それもそのはず。簸上清酒合名会社には、なんと2017(平成29)年度の「現代の名工」に選ばれた杜氏がいるのです。
※杜氏は酒蔵のリーダー的存在。各酒蔵に1人しかいません。
この方が現代の名工、松本年正さんです。
かえで:
あなたが、日本が誇る現代の名工の松本年正さんですね。
松本さん:
いや、たまたまですよ、たまたま。
かえで:
またまた~(笑)
松本さんは謙遜なさっていましたが、現代の名工になるというのは本当にすごいこと。本当にすごい人こそ、謙虚であることが多いのでしょうか。松本さんには一切のおごりがありませんでした。
松本さんは、15歳からずっと酒蔵一筋でやってきたそうです。若いころは、杜氏になろう、名工になろうという気持ちは少しもなくて、ただただやり続けていたといいます。
かえで:
現代の名工に選ばれたとき、嬉しかったですか?
嬉しそうな顔が撮りたい一心で下心丸出しの質問をしたのに対して、
松本さん:
いや、僕より家内の方が大変だったと思いますね。僕が酒蔵にいる1年のうちの半分は子どもたちも家内に任せきりでしたし。僕の場合は家族仲がとても良くて、そこのおかげだったと思ってます。家族仲が悪いとなかなか家を空けられませんから。
真っ先に妻のことを思うコメントをくださった松本さん。現代の名工は、妻や家族を思いやりながらその地位を手にしていました。
現代の名工の指揮で造る日本酒は、味はもちろん、ストーリーも一緒に味わうことができそうです。
帰りに、泡無酵母が発見された酒蔵があった場所の石碑を訪ねました。言わば日本酒の聖地なので、日本酒好きの方はぜひ訪れて記念撮影してくださいね。
簸上清酒合名会社の日本酒も、ふるさと納税のお礼の品になっていますよ。
雄大な景色を望みながらゆったり浸かる亀嵩温泉玉峰山荘
亀嵩温泉玉峰山荘にやってきました。温泉に加えて、天降石を粒状にしたサンドバス(要予約)も楽しめる温泉旅館です。
「美肌温泉」ということで名が知れている亀嵩温泉の泉質は「アルカリ性単純泉」。温泉に入って上がった時にぬるっとした感触がするのが1番の特徴で、「こういった泉質はかなり珍しい」と女性にも人気なんだそうです。
こちらがサンドバス。体全身に、41~42℃位に蒸しあがった砂(セラミックサンド)を掛ける入浴方法です。
外の景色を見ながらゆっくり入浴することができます。
客室は、和室が16室、洋室が3室、バリアフリーが1室。和室には全ての部屋に掘りごたつが付いています。和室といえば、正座をすると足が痺れるし、かといって足を伸ばすと猫背になってしまうもの。掘りごたつがあれば足の置きどころに困らず、非常に快適に過ごせるようになりますから、これは非常にうれしい設計です。
こちらは洋室の様子。
部屋に置かれているソファーは「外国から輸入されてきたものを使用している」とのこと。
輸入家具が大好きなので座らせていただいたのですが、吸いつくような座り心地。和室の掘りごたつもいいですが、このソファーのこだわりは特筆に値します。洋室は3部屋しかないので、ご予約はお早めに。
洋室・和室に関わらず、窓からの眺めはどの部屋も絶景でしたよ。
夕食は、世界でここでしか味わえない奥出雲産のどぶろく鍋がおすすめ。
温泉から食事まで、心ゆくまで奥出雲を堪能できる亀嵩温泉玉峰山荘。観光で訪れたら、ぜひゆっくり泊まっていきたいですね。
バラエティ豊かな奥出雲町のお礼の品
奥出雲町はふるさと納税をした際のお礼の品の種類がとても豊富です。こんなものまで、と驚くようなお礼の品もあるのでご紹介します。
奥出雲たたらと刀剣館。たたら製鉄の歴史が学べたり刀剣がたくさん見られるほか、江戸時代に発達・普及した製鉄用の天秤吹子(てんびんふいご)を実際に動かすことができます。
また、たたら製鉄と刀剣の技術を生かした包丁は、ふるさと納税のお礼の品にもなっています。
結婚のお祝いに包丁を送るのはご法度とよく言われますが、「未来を切り開く縁起物」という見方もあるそうです。奥出雲の職人が作った切れ味鋭い包丁で、未来を切り開いてみてはいかがでしょうか。
純そば一風庵は、奥出雲町産の割子そばを出しているおそば屋さんです。
ここで食べたお蕎麦は、今まで食べたお蕎麦の中で1番おいしかったです。「甘皮挽きぐるみ」という製法で、香りと食感、のどごしが抜群によかったです。十割蕎麦なのにブツブツ切れたりもしませんでした。
店主の島さんは語ります。
あるとき、JAで職員をしていた島さんは、奥出雲の山奥にひと塊だけ自生するそば畑を見つけたそう。それは大量生産に適したそばが導入されたことによって絶滅に近い状態に追い込まれていた、在来種の「横田小そば」でした。子どものころに「横田小そば」を食べていたという島さんは「このそばは段違いにおいしい。この種を無くしてはいけない」と感じ、純そば一風庵を始めました。
始めは生産量が少なくて半年分しかまかなえなかった横田小そば。今では、島さんや農業技術センターの頑張りの甲斐あって、ほぼ1年中、一定の量を確保できるまでになったそうです。
看板メニューの横田小そば「野の香(ののか)」は店舗のみの提供です。1日15食限定で提供されています。
奥出雲で食べた蕎麦が恋しくなったら、ぜひこちらのお礼の品をどうぞ。消費期限は2日と短いですが、味と香りにこだわった生蕎麦ゆえですね。
島根県奥出雲町
一風庵の生そば3人前【生そば 3人前 そばつゆ付き セット 蕎麦 玄そば 出雲そば そば 国産 無添加 手打ち 打ち立て 冷蔵配送 自家製 石臼挽き こだわり 人気 生麺 麺類 和食 食品 健康 美容 季節限定】
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島根旅行で食べたあのおいしいそばが忘れられない方におススメ。
奥出雲の中でも人気のそば店がお届けする“十割生そば”。甘み・香り・旨みのすべてを引き出した「一風庵の十割生そば」は、賞味期限が2日。その分、味には自信があります。
ふるさと納税寄付金の使い道は寄付者が選べて安心
今回の取材で、奥出雲町が自然を守りながら共生していき、良質な品を生産していく町だということを知りました。そして、山の中にありながら、たたら製鉄により他の街と交流のある”商売の町”として発展したからでしょうか、、今回お世話になった方々はみんな優しく、誰にでもフレンドリーな土地柄であるということも知ることができました。
ちなみに、寄付金の使い道は、「出産・子育て支援」「自然環境・環境保全」「観光振興」「人口定住・結婚対策」「教育・文化・スポーツ振興」「町長が定めた事業」の6つの中から寄付者が選べるとのことでした。透明感があって安心できますね。
最上級の食べ物、おいしいお酒、美人の湯、最高の景色、たたらの歴史。奥出雲町には旅行が楽しくなる要素がすべて揃っていると思いました。次に行くその日まで、ふるさと納税をして奥出雲町を盛り上げるお手伝いをしていきたいと思います。
▼奥出雲町のふるさと納税・お礼の品の一覧ページはここをクリック
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たたらと刀剣館に美肌の湯… 島根県奥出雲町の名所を全身で味わってきました!詳細情報を知りたい方は以下をクリック!
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